だいし弦の“劣化”って、どういう状態のことを言うの?



音がどうか?じゃなくて、“弦そのものが物理的にどう変わっていくか”ってことだね?
エレキベースの弦が“劣化する”というのは、 金属が疲れてしなやかさを失ったり、表面に汚れやサビがたまって、 新品のときとはちがう振動のしかたになる状態のこと。
これは悪いこととは限らなくて、 時間がたつことで落ち着いた音になるという見方もあって、変化の方向が人によって好みが分かれる、ということ。
目次
金属としての変化(物理的な劣化)
- 金属疲れ
弦は、演奏で振動したり、チューニングで張力が変わったりをくり返すうちに、少しずつ金属の弾力が弱くなる。 その結果、倍音が出にくくなり、音が落ち着いた方向に変わっていく。 - 伸び(ヘタリ)
長いあいだ張られたままだと、弦が少しずつ伸びてしまう。振動の効率が変わり、音の立ち上がりや伸びに影響が出ることがある。 - へこみ
フレットに当たる部分がつぶれて、振動が均一ではなくなる。
サビや酸化(化学的な変化)
- 汗や湿気でサビる
ニッケルやステンレスの金属は、汗や空気中の水分で少しずつ酸化する。サビが出ると振動がにぶくなり、音のキャラクターが変わる。 - 表面の変色
茶色っぽくなったり黒ずんだりして、手ざわりも変わってくる。
汚れがたまる(構造的な変化)
これは音にとても大きく影響する部分。
- 巻き線のすき間に汚れが入る
皮脂や汗、ほこりが巻き線のすき間に入りこんで固まる。 - 振動が止められる
汚れが“おもり”のようになって、弦の自由な振動をじゃまする。 とくに高い音(倍音)が出にくくなり、音が落ち着いた方向に変わる。
素材によるちがい
- ニッケル弦
あたたかい音だけど、酸化しやすく変化が早め。 - ステンレス弦
明るくてシャープな音。サビには強いけど、金属疲れは起きる。 - コーティング弦
表面にうすい膜があるので、汚れが入りにくく長持ちしやすい。
変化のスピードも、感じ方も人それぞれ
- 使う回数
- 手汗の量
- 演奏スタイル
- 手入れの習慣
- 保管の環境
こういったものによって、弦の変化は大きくちがう。
新品のピークは数日〜2週間くらいで落ち着くことが多いけれど、 「どの状態が好きか」は完全にプレイヤーの好み。
ジャンルによっては、 あえて“育った弦”の音を選ぶ人もいる。



ひとえに劣化といってもいろんなことが起こってるのか。
時間がたたないと出せない音って考えると、新品の状態よりも貴重かも。



「プレイヤーと一緒に育ってきた音」という側面もあるんだよね。
