【第2回】個人でできる音楽の仕事|7ジャンルの“規模感”を数字で見てみよう

第2回音楽仕事のタイトル画像

音楽の世界には、ライブ、レッスン、制作、発信…と、いろんな関わり方があります。
前回の記事では、「個人で何かやる」前提で音楽に関わる7つのジャンルについてまとめました。

だいし

それぞれのジャンルに、どれくらいの人が関わっているんだろう?

Vue

まず、全体の推定人数は「120万人ほど」だよ。
公的な統計や業界データを参考に、現実的な“推計モデル”をつくったから見ていこう。

全体の推定人数を120万人として、
あくまで「各分野ではだいたいこのくらいの規模感なんだな」というイメージをつかむための推計です。
よろしければ、ご参考ください。

▼前回の記事はこちら

目次

前提:この記事で扱う「音楽に関わる人」について

この記事では、“個人として音楽に関わっている人” を対象にしています。

  • ライブで演奏する人
  • 個人レッスンや音楽教室の講師
  • 作曲・編曲・録音など制作に関わる人
  • PA・音響・録音技術などの技術職
  • イベント制作・企画
  • YouTube や SNS で音楽を発信する人
  • AI・データなど新しい領域で音楽に関わる人

また、企業に勤めている場合でも、 A&R、ディレクター、エンジニア、制作進行など、「音楽の専門スキルを使う職種」はこの推計に含めています。

一方で、 レコード会社や音楽出版社などの 一般職(事務・総務・経理・広報など) は、 音楽に関わってはいるものの、 音楽スキルを使って働いているわけではないため、今回の推計には含めていません。

この記事は、前回の記事と同じく、 「個人のスキルを軸にした音楽の仕事の地図」 を描くことを目的にしています。

総関与者数を「120万人」とした理由

ジャンルごとの人数を出すには、まず「音楽に関わる人の全体数」を決める必要があります。

ここでは、次のような情報をもとに 120万人 という仮の数字を置いています。

  • 学校の音楽の先生
  • 音楽教室や個人レッスンの講師
  • ライブで演奏する人(プロ・セミプロ・アマチュア含む)
  • 作曲・編曲・録音など制作に関わる人
  • PA・音響・録音技術などの技術職
  • YouTube や SNS で音楽を発信する人
  • AI・データなど新しい領域で音楽に関わる人

これらを公的統計や業界レポートから拾い、
重複をざっくり差し引いた人数(UU数)として、 100〜150万人くらいの幅 が見えてきます。

その真ん中あたりの 120万人 を「現実的な中間値」として採用しています。

計算の考え方

ジャンルごとの人数は、次の式で求めています。

推計人数j=総関与者数×ジャンル比率

さらに、 音楽の世界は副業・兼業が多いので、 「どれくらいの“働き方”に相当するのか」を見るために 0.6倍(フルタイム換算) も計算しています。

FTEj=推計人数j×0.6

※FTE=Full Time Equivalent(フルタイム換算)

ジャンル別の推計結果

ジャンル比率推計人数フルタイム換算(×0.6)
演奏35%420,000252,000
制作(作曲・編曲・MIX)12%144,00086,400
教育(学校教員・教室・個人講師)20%240,000144,000
技術(PA・音響・録音技術)8%96,00057,600
企画(イベント運営・制作進行)8%96,00057,600
発信(YouTube・SNS・配信)15%180,000108,000
未来領域(AI・データ等)2%24,00014,400
合計100%1,200,000720,000
だいし

フルタイムかどうかは、各ジャンルによってばらつきはありそうだね。

Vue

「学校の先生はFTEは高い」となるだろうけど、今回はざっくり平均値にしているよ。

この数字から見えてくること

  • 演奏と教育は、裾野が広く人数が多い
  • 発信(YouTube・SNS)は急成長している領域
  • 制作・技術・企画は専門性が高く、人数は中規模
  • 未来領域(AI・データ)はまだ小さいが、伸びしろが大きい

数字の整合性について(ざっくり確認)

だいし

以前、別の記事で「リアルタイムで、ベースを弾いている人口は5~15万人」って推測してたよね。もちろんその中でプロは一握りだろうけど、今回の推測の整合性はあるの?

Vue

今回の 「演奏者が42万人」 は、次のように考えると自然に整合するよ。

● エレキベース人口(5〜15万人)のうち

本業として活動したり、生活の糧になっている人の割合を だいたい3〜7% とすると、

5×3%=1,500

15×7%=10,500

プロとして活動しているベーシストは約1,500〜10,500人

● これを演奏者全体(42万人)に対して見ると

1,500÷420,000=0.36

10,500÷420,000=2.5

演奏者全体の0.3〜2.5%が“プロのベーシスト”

● この比率は、実際の音楽業界の構造とよく合う

  • ベース人口は多くないが、現役率は高い
  • プロは数千人規模
  • 公的統計の「音楽家26,000人(本業)」とも矛盾しない

ざっくり言うと、
・演奏者42万人 →そのうちプロのベーシストは数千人(ベース全体人口は5〜10万人)
という構造は数字としては自然です。

だいし

いまのところは「推測の確実性が上がったとみられる」と思っておこう。

▼日本にベーシストは何人いるか、推測してみた記事はこちら

Vue

ちなみにだけど、公的統計の「音楽家26,000人」から
「演奏に関わる人の裾野が広い」ことを推定して、
演奏ジャンル推定30〜50万人の中間値としての42万人だよ。

まとめ

今回の推計は、 「音楽の仕事の地図」をより立体的に見るための“ざっくりモデル” です。

  • 正確な統計がない
  • 副業・兼業が多い
  • 活動の重なりが大きい

こうした理由から「主に関わっているジャンル」という考え方が、いまのところ最も“現実に近い”方法だと仮定してます。

あなたの音楽の道を描くヒントになればうれしいです。

この記事の推計にあたって参照した情報

本記事の推計は、以下のような公的統計や公開データの傾向をもとに、 複数の情報を組み合わせて作成しています。

  • 総務省 e-Stat の「音楽家・演奏家」などの職業分類(本業の人数)
  • 文部科学省の教員統計(学校の音楽教員数)
  • 音楽教室・個人レッスン市場の公開データ
  • ライブハウス・小規模会場の出演者数の傾向
  • SNS(YouTube・TikTok・Instagram)での音楽発信者数の推移
  • 楽器人口調査の一般的な傾向
  • 音楽制作・技術・企画職の業界レポート
  • 前回の記事で扱った「個人としての音楽の関わり方」の定義
目次