「ベース一本であの楽曲を弾きたい!けど、どうやってアレンジしていけばいいの?」という方に、ソロ・ベースの作り方を紹介します。
題材は、ベートーベンの「第9・歓喜の歌」で、難易度の目安は初級レベルです。
比較的ラクに弾けると思いますので、手始めにソロ・ベースをやってみようという方は、ぜひ取り組んでみて下さい!ご参考になれば幸いです。
Contents
前提
・多弦べースや24フレットベースなどではなく、一般的なベース(4弦20フレット)でも弾けるアレンジです。
ポイント
原曲キーのままだと弾くのが難しい曲もあります。なので基本的には弾きやすいキーに変える(→移調する)ことを考えます。ざっくり以下の2つを念頭に置いてソロ・ベース用に移調します。
1.メロディの一番高い音を決める
2.キー(調)の設定
題材:ベートーベン【第九・歓喜の歌】
既存の曲をソロ・ベースにアレンジしてみましょう。題材はベートーベンの「第9 歓喜の歌」です。年末になると合唱で歌われたり、色んなところから聞こえてくる、あの有名な曲です。
※ここでは著作権については詳しく書きませんが、楽曲使用の際には著作権を確認しましょう。
実際に弾いてみた動画はこちらです↓
参考動画
この動画のアレンジにたどり着くまで、どういう手順でソロ・ベースにしていったかを説明していきます。
1.原曲の確認
まずは原曲の楽譜を確認してみましょう。キーはDメジャーです。
譜例1 原曲
開放弦でその曲のルート音があると弾きやすくなります。今回はDメジャーの曲で、2弦の開放弦がルート音になり、移調の必要がなさそうです。一旦このまま、へ音記号とタブ譜にしてみましょう。
譜例2 ベースソロ版
上記のようになりました。
2.移調の確認
メロディの一番高い音を確認します。今回は1弦の14フレットでBの音です。この段階でも移調する必要はなさそうなので、引き続きDメジャーで進めます。アレンジ途中で「あっ!高い音が出せない!」なんてことが起こりえる(自分はちょくちょくややってます。。。)ので、早い段階で確認しましょう。
もし「何か一曲弾いて~」なんてリクエストがあったら、このままでもベースソロとして弾けますね。わかりにくくてすみませんが、まだ途中段階なのでソロ・ベース版ではなく、ベースソロ版…です!
…ちなみに、こちらの譜面が欲しい方は下記からどうぞ(PDFファイル)
3.ベースラインなどの伴奏部分を加えていく
今回はソロ・ベースにするので、さらにベースラインなどの伴奏部分を加えていきます。メロディと同時進行でもいいです。
楽譜にコードも記載してますが、コードのルート音(根音)を加えていく事が基本パターンとなります。実際に弾きながら、伴奏部分とメロディを同時に弾けるかを確認していきます。
では譜面にしてみましょう。
譜例3 ソロ・ベース版
上記のようになりました。なんと!今回はこれで完成してしまいました!
ベースラインはほとんどルート音を加えただけですが、音を選んだ箇所が少しあるので、この後ちょっと解説しますね。
…こちらの譜面が欲しい方は下記からどうぞ(PDFファイル)
4.アレンジのポイント
今回のアレンジでのポイントを説明します。
・どのポジションで弾くか・・・?と悩むときは、弾きやすい方だったり前後の流れがスムーズになる方を選んでもいいと思います。
今回の譜面で言えば、6小節目のタブ譜が弾きにくいようであれば、ベース音を1弦の開放で弾き、メロディを2弦「19→17→16→14」フレットで弾いてもいいです。
・12小節目3拍目は、2弦7フレットのAの方が弾きやすいので変えました。
・11小節の3拍目は、F#のコードなのでルート音はF#ですが、長3度のA#を選んでます。#の臨時記号がついてますね。ちょっと難しい話になりますが、DメジャーのF#のコードは、本来F#mのマイナーコードになるのですが、ここではF#のメジャーコードになってます。曲の雰囲気をハッキリさせたいときは、こういった臨時記号がつく部分を鳴らした方がコード感が出ます。14小節2拍目のEも本来はEmのマイナーコードですが、長3度G#でメジャーコードになってます。ここも#の臨時記号なのでG#を選んでます。もちろんルート音でも間違いではないので、弾きにくい時はルート音にしてもいいです。(理論的なことは今後記事にしていきたいと思います。)
・13~15小節のベースラインは D→C→B→B♭→A と段階的に下ります。流れがキレイですね。こういう部分を取り入れると少ない音数でも雰囲気が出ます。14小節1拍目あたりが特にストレッチが大変なので、3弦を使って弾いてもいいです。
印象的なベースラインや副旋律など、いいなぁと思った部分は取り入れてみて下さい。独自のアレンジに繋がっていいと思います。
まとめ
なるべく簡単に弾けるように、ほぼ2つ音でのアレンジにしました。
それでも曲の雰囲気が出たかと思いますが、いかがでしょうか。以下にまとめてみました。
1.キーは原曲にこだわらず、弾きやすいところを選ぶ。
→Aメジャー、Eメジャー、Dメジャーは開放弦でベースラインが使いやすい。
2.簡単に弾けるポジションを選ぶ…メロディが1弦で弾きにくかったら2弦で弾いてみたり。
3.ベースラインなどの伴奏部分は、曲の雰囲気が出る音を選ぶ。
→臨時記号がついてる音なんかが良い。
4.弾きたいベースラインや副旋律を入れてみる。っていうか弾きたいように弾く!
今回は以上です。
「ソロ・ベースやってみようかな」、とか「弾いてみたら楽しいな♪」って人が増えたら嬉しいです!